看護師を辞めたいときは、今つらい場面と、変えたい勤務条件を分けるところから始められます。人間関係、夜勤、体力面、短期離職への不安では、相談する内容や相手が違います。
気持ちを整理できたからといって、すぐに残るか辞めるかを決める必要はありません。この記事では、困っている場面を相談できる言葉に変え、今の勤務先で確認することと、次の職場に求める条件を残す方法を紹介します。
眠れない、食事が取れないなどの強い不調が続くときは、退職の判断表を埋めるより先に、医療機関や勤務先の産業保健窓口などへの相談を検討してください。この記事では病気の診断や就業継続の可否を判断せず、転職すれば不調が解決するとも考えません。
辞めたい気持ちを、四つの職場条件に分ける

「もう辞めたい」という一文のままでも、今の気持ちは記録できます。少し書けそうなら、どの場面で負担を感じたかと、何が変われば働き方を見直せそうかを別に残してください。
複数の理由があっても、一つに絞らなくて構いません。たとえば夜勤が負担で相談もしにくいなら、勤務の組み方と相談経路をそれぞれ確認する項目として扱いましょう。
| 整理する領域 | 困っている場面の書き方 | 確認につなげる条件 |
|---|---|---|
| 人間関係 | 質問できない、指示が食い違う、相談しづらい場面 | 説明担当、相談経路、業務の分担 |
| 夜勤 | 回数、並び方、勤務前後の予定で困ること | 夜勤回数、勤務変更、相談できる時期 |
| 体力面 | 長い勤務、通勤、休憩、担当で負担を感じる場面 | 勤務時間、休憩、通勤、担当範囲 |
| 短期離職への不安 | 入職前の説明と違う点、まだ確認できていない点 | 提示条件、説明予定、支援、今後の見通し |
この表は、相談する内容を整理するために使います。負担の大きい項目を一つ選び、何が起きているか、何を変えたいかを書ける範囲で残してください。
今すぐ詳しく振り返る余裕がない場合は、最も困ることを一つだけ書いても十分です。次に話せる相手と、相談したい内容が一つ決まれば、すべてを整理してからでなくても相談できます。
辞めたい理由を一度に結論へつなげず、いま困っていることと希望する働き方を書き分けてみましょう。
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人間関係は、相手の評価と起きた出来事を分ける
困った言動や指示を相談するときは、日時、受けた説明、仕事への影響が手掛かりになります。「合わないと感じる」という気持ちも残し、実際に起きた出来事と分けておくと、相談相手に状況を伝えやすくなります。
相談の目的が業務上の説明を受けることなら、説明担当や質問先を決められるかが確認事項になります。勤務の組み方や担当の調整を希望するなら、その判断を誰が行うかまで聞いておくと、返答を待つ先が明確になります。
| 今困っていること | 相談時に伝える内容 | 返答で確かめること |
|---|---|---|
| 質問先が分からない | どの仕事で、いつ確認できなかったか | 主な質問先と不在時の相手 |
| 指示が食い違う | 説明された内容と違い | 最終的な確認をする担当 |
| 相談したい相手に話しづらい | 直接相談が難しい事情 | 別の管理者・人事等への経路 |
| 言動に困っている | 起きた出来事と仕事への影響 | 相談の取扱い、今後の連絡方法 |
相談相手が困りごとの当事者である場合は、別の管理者や人事、職場の相談窓口などを検討してください。記録のために患者情報や同僚の私的な情報を持ち出したり、必要以上に周囲へ共有したりする必要はありません。
厚生労働省の総合労働相談コーナーは、いじめ・嫌がらせなどを含む労働問題について、面談または電話で無料相談を受け付けています。記事だけでハラスメントへの該当性を決めず、職場内で相談しづらい場合も利用先の一つとして考えられます。総合労働相談コーナー
新しい職場の人間関係を、見学時の雰囲気だけで予測することも難しいものです。応募先には、質問先、面談の機会、勤務上の相談経路を聞き、自分が困ったときにどう相談できるかを確認しましょう。
夜勤は、回数だけでなく勤務の並び方を確かめる

夜勤のどこが負担かを、回数、勤務の開始・終了、前後の予定、通勤に分けると、相談したいことが見えてきます。回数を減らす相談か、勤務の並び方を変える相談か迷う場合は、夜勤の回数・時間・休憩の見方も参考になります。
現在の職場では、回数や勤務形態の変更を相談できるか、誰が判断するか、変更する場合の開始時期を尋ねてください。相談が可能という説明と、希望する勤務で働けると決まったことは分けて受け止めましょう。
夜勤を減らす場合は、本人の給与や手当がどう変わるかも確認が必要です。今の手当込みの給与をそのまま見込まず、変更後に決まって支給される部分と、回数で変わる部分を整理してください。
| 確認する項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 回数と勤務の並び方 | 現在の回数と勤務の並びを確認し、変えたい回数・組み方を相談する |
| 始業・終業と通勤 | 始業・終業と通勤を含む時刻を確かめ、対応できる範囲と比べる |
| 前後に必要な生活上の予定 | 夜勤の前後に必要な生活上の予定と、勤務が重なる箇所を確認する |
| 変更の相談先と開始時期 | 変更を相談する相手と、変更できる場合の開始時期を確認する |
| 手当と収入への影響 | 変更後に決まって支給される部分と、勤務回数で変わる手当を分けて確認する |
次の職場を探すときも、「夜勤なし」の表示を見たら、遅い時刻までの勤務や休日勤務の有無を別に確認しましょう。夜勤がなくなることと、自分が必要とする生活時間を確保できることの両方を確かめてください。
病院以外も候補にするなら、看護師の病院以外の働き方で、勤務時間や担当の確認点を整理できます。職場の種類だけで負担が軽くなると決めず、自分が変えたい条件に照らして比べましょう。

体力面の悩みは、時間・休憩・通勤・担当に分ける
体力が持たないと感じたときは、年齢や気力だけを理由にせず、どの条件で負担を感じているかを整理しましょう。長い勤務、休憩の取りにくさ、通勤、担当する仕事など、職場へ相談できる項目に分けてみてください。
体調に関する判断は、勤務条件の比較とは別に必要になることがあります。休み方や働き方について医療機関などから助言を受けている場合は、その内容を踏まえ、必要な範囲で勤務先の担当窓口に相談しましょう。
勤務時間の記録を見直す場合は、診療や業務が終わる時刻だけでなく、準備、後片付け、指示された研修も確認します。厚生労働省のガイドラインは、こうした時間について、使用者の指揮命令下にあるかという実態で考えることを示しています。労働時間の適正把握ガイドライン
負担を減らす案が出たら、「どの仕事を」「いつから」「誰が調整するか」を聞くと、変更の見通しが分かります。その後の面談では、実際に変わったことと、残っている負担を伝えて次の対応を相談できます。
転職先でも、通勤が短くなる一方で終業が遅くなるなど、複数の条件が変わる場合があります。給与や施設名だけで選ばず、一週間の勤務と生活の予定を置いて、自分が変えたい負担がどうなるかを考えてください。
入職して間もないときは、説明との差と未確認を残す

短い在職期間で辞めたいと思うと、「もう少し続けなければ」と迷うことがあります。期間だけを基準に結論を出さず、入職前の説明と違うこと、入職して初めて分かったこと、まだ説明を受けていないことを分けましょう。
たとえば教育担当がいると聞いていたのに相談先が分からない場合は、誰が担当なのか、いつ説明を受けられるかを確認できます。改善の見通しを尋ねることと、一定期間の勤務を必ず続けると約束することは別に考えてください。
| 確認する項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 勤務する曜日・時間 | 入職前に説明された曜日・時間と実際の勤務を照合し、違いを相談する |
| 配属と担当範囲 | 説明された配属・担当範囲と、現在任されている仕事を照合する |
| 説明担当・質問先 | 担当者がいるという説明に加え、誰にいつ質問できるかを確かめる |
| 給与・手当・契約 | 求人や本人向けの書面と、現在適用されている条件を照合する |
| 次に確認する内容と日 | 相談で得た返答、未回答の点、次に確認する日を区別する |
次の採用選考で経緯を説明する場合は、在職期間や出来事を変えず、何が合わなかったかと次に確かめたい条件を整理しましょう。相談していないことを相談済みと話したり、応募先に合わせて退職理由を作ったりする必要はありません。
採用支援の観点では、本人が希望する働き方と、勤務先が任せる予定の仕事をすり合わせることを重視します。次の選考では、今回合わなかった条件を質問に変え、採用側の回答を聞いて働き続けられそうかを考えてください。
辞める時期を決める段階では、契約期間や就業規則、受け取った書面を確認する必要があります。ここでは一律の退職期限を示さず、手続で疑問が生じたら公的相談窓口などで個別に確かめることを勧めます。
公的な離職データを、自分の結論に置き換えない
厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、女性の転職入職者が前職を辞めた理由として、労働時間や休日等の条件が12.9%、職場の人間関係が11.5%でした。この表は、転職入職者のうち前職が雇用者で、調査時に在籍している人を対象にしています。転職入職者の状況・表5
この調査は、全国の16大産業で常用労働者5人以上の事業所から抽出して行われており、看護師だけの統計ではありません。上の割合を「看護師が辞める理由の順位」や、自分が辞めるべきかを決める基準として使うことはできません。調査の概要
データから分かるのは、調査対象の人が前職を辞めた理由として何を挙げたかです。転職後に悩みが解消した割合を示す表ではないため、転職の効果や自分の将来をこの数字から予測しないようにしましょう。
悩みを整理するときは、ほかの人と同じ理由かどうかより、自分が困っている条件を説明できるかを確かめてください。人数や割合の大小で、相談する必要のある悩みを小さく扱う必要はありません。
相談した内容と、次に確かめる条件を整理する
相談前には、困っている事実と希望を短く書き、相談後に返答を加えると経緯を振り返れます。未回答の点や考え中のことはそのまま残し、次に聞くことを一つずつ決めていきましょう。
相談のために状況を記録するときは、自分の勤務条件を説明するのに必要な範囲にとどめてください。病歴などの詳しい情報を誰に伝えるかは、相談の目的や相手の役割を確認して考えましょう。
| 確認する項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 最も困っている場面 | どの勤務・場面で何に困っているかを、相談に必要な範囲で整理する |
| 事実として分かっていること | 勤務条件や受けた説明など、事実として確認できる内容を分ける |
| まだ確認できていないこと | 推測と未回答を区別し、確かめたい点を整理する |
| 今の勤務先で変えたい条件 | 勤務時間・夜勤・担当など、変更を相談したい条件を具体的にする |
| 次の職場でも欠かせない条件 | 次の職場を考えるときも維持したい勤務条件を整理する |
| 相談相手と相談した日 | 相談の目的と相手の役割を確認し、いつ誰へ話したかを残す |
| 返答・開始予定・未回答 | 返答の内容、調整の開始予定、まだ回答されていない点を分ける |
| 次に確認することと見直す日 | 追加で尋ねる内容と、状況を見直す日を確認する |
人間関係、夜勤、体力、入職後の違いから、今いちばん困る場面を選んでください。気持ちと出来事を分け、分からないことは未確認のまま残しましょう。
質問先を決めたい、勤務を調整したいなど、相談の目的を短くまとめましょう。結論が決まっていない場合は、その段階であることも伝えてください。
変更できる内容、開始時期、給与や予定への影響を確かめましょう。回答を受けてから、残る場合と別の勤務先を考える場合の条件を見直してください。
選択肢を比べる段階になったら、看護師が転職するか迷ったときの判断ガイドで、残る・異動・転職を整理できます。ここで書いた困りごとと相談への返答を使い、変えたい条件を同じ基準で比べてください。

働く人の悩みを話す窓口として、厚生労働省「こころの耳」の電話相談もあります。病名の診断や治療、法令違反への該当性の判断を行う窓口ではないため、相談したい内容に合う案内を確認してください。こころの耳電話相談
辞めたいときによくある質問
- 人間関係が理由でも、相談してよいですか
-
仕事への影響や困った場面を整理して相談できます。相手の性格を決めつける説明より、起きた出来事と希望する対応を伝えましょう。
- 夜勤を辞めたいなら、転職するしかありませんか
-
現在の勤務先で回数や勤務形態を相談できるか、まず確認する方法があります。希望が通るとは限らないため、返答と開始時期、給与への影響を確かめてから選択肢を比べてください。
- 入職してすぐ辞めると、次は採用されませんか
-
在職期間だけで次の採否を一律に予測することはできません。経緯を正確に整理し、次の職場で事前に確認したい条件を具体的にしてください。
- 体力の不安は、日勤の職場なら解消しますか
-
日勤という名称だけでは、勤務の長さ、休憩、通勤、担当する仕事は分かりません。強い不調は必要な相談につなげながら、自分が変えたい条件を個別に確認しましょう。
まとめ
今つらい場面を一つだけ選び、相談する相手と伝えたいことを決めるところから始められます。返答を受けて選択肢を比べる段階では、辞める・残る・異動を整理する判断ガイドで、変えたい条件と生活への影響を見直せます。
公的統計と相談案内は2026年10月3日に確認しています。確認表は、自分の状況と次に相談したい項目を整理するために使えます。
