看護師の転職面接は、自分の経験を伝え、入職後の仕事と条件をすり合わせる場です。話す内容と応募先への質問を分けて準備すると、面接後に判断するための情報がそろいます。
採用側からの質問を想定した18項目、応募者からの逆質問6項目、勤務条件の確認6項目をまとめました。計30項目は面接準備のために選んだもので、出題頻度の調査に基づく順位ではありません。
30項目すべてを面接で読み上げる必要はありません。自分が説明に迷う項目と、応募先に確認したい項目を選び、既に説明を受けた内容は省いて使ってください。
面接前に、経験・希望・確認事項を分ける

最初に、提出済みの履歴書と職務経歴書を読み直しましょう。在籍期間、担当していた仕事、退職時期などを、面接でも同じ事実に沿って説明できるようにします。
次に、これまでの経験と、これから希望する働き方を分けて書き出してください。未経験の仕事への関心を伝えるときも、経験済みであるかのような説明は避け、入職後に確認したい教育や担当範囲につなげましょう。
| 準備するメモ | 書く内容 | 避けたい混同 |
|---|---|---|
| 経験 | 実際の所属、担当、役割、学んだこと | 見学した仕事を自分の実績にする |
| 希望 | 応募理由、働ける曜日、入職時期 | 希望を既に認められた条件と扱う |
| 確認事項 | 配属、教育、勤務時間、書面の内容 | 未回答を自分に都合よく補う |
採用代行として候補者の紹介を受ける中で、応募意欲、今回の求人企業を選んだ理由、現職を辞めたい理由が事前に分からないことがありました。
私が関わった採用では、人材の確保が難しく、情報がそろっていなくても、まず面接で話を聞く進め方がほとんどだったと思います。だからこそ、面接でこの三点を自分の言葉で伝えられる準備を勧めます。
採用側が想定する役割を聞いたうえで、経験が重なる部分と教育を受けたい部分も伝えてください。応募の意思と勤務上の希望が分かれば、今回の職場で働ける条件を具体的に話し合えます。
自己紹介・応募理由を整理する質問1〜6
1.自己紹介をお願いします
氏名、これまでの勤務先の種類や担当、今回の応募につながる関心を短くまとめましょう。職歴を最初から最後まで詳しく話すより、相手が続きを聞きやすい順番を決めておくと説明が散らかりません。
2.これまでどのような仕事を担当しましたか
同じ部署名でも、担当した仕事や役割は人によって異なります。所属名に続けて、自分が受け持った業務を説明してください。見学や補助にとどまる仕事は、その関わり方を添えると経験の範囲が伝わります。
3.今回、転職を考えた理由は何ですか
転職を考えるきっかけと、次の職場で変えたい条件を分けて伝えましょう。前職への不満を無理に隠すために別の理由を作らず、勤務時間や担当範囲など、採用側が確認できる内容に整理してください。
4.当院・当施設を志望した理由は何ですか
応募先で実際に知ったことと、自分が希望する働き方の重なる点が志望理由になります。教育や配属の内容がまだ分からない場合は、「詳しく伺いたい点」として質問に残せます。
5.これまでの経験を、どのように生かしたいですか
引継ぎ、記録、周囲との連絡など、実際に取り組んできたことから説明できるものを選びましょう。新しい職場でも同じ方法が通用すると決めつけず、入職先の手順を確認する姿勢も添えてください。
6.今後、どのような働き方を希望していますか
勤務時間、担当したい仕事、今後学びたいことを、それぞれ短くまとめましょう。長く働きたいという希望に加え、続けるために必要な条件まで伝えると、採用側も対応可能か確認できます。
次の文は編集上のサンプルで、実在の応募者の発言ではありません。空欄には自分が確認できる事実だけを入れ、使わない部分は削ってください。
「[氏名]と申します。これまで[勤務先の種類・所属]で[実際の担当や役割]に携わってきました。今回は[応募先で希望すること]について詳しく伺い、自分の経験をどのように生かせるか相談したいと考えております。」
応募理由を一から文章にする段階なら、面接の答えを先に増やすより、転職理由と志望動機のつながりを整理しましょう。ここでは一つの答えを完成させるより、質問に応じて必要な部分を取り出せる準備を勧めます。
転職理由と応募先への関心を整理する方法は、志望動機・転職理由の作り方で確認できます。面接用のメモと提出書類の内容が食い違っていないか、最後に照合してください。

面接を準備する段階では、話す経験と、応募先への質問を一枚にまとめられます。
応募書類・面接の準備に使うPDFの案内を見る
経験・協働・学び方を説明する質問7〜12
7.これまで仕事で工夫したことはありますか
困っていたこと、自分が行ったこと、その後に分かったことの順なら、工夫の内容を説明しやすくなります。結果の数字が残っていない場合は、取り組んだ事実と学んだことまでを話してください。
8.周囲と協力して進めた仕事を教えてください
共同で行った仕事の目的と、自分が受け持った部分を分けて話しましょう。チーム全体の成果を自分一人の実績として語らず、誰に相談し、どの情報を共有したかを説明してください。
9.意見が異なる相手とは、どのように調整しますか
実際に経験した範囲で、相手の説明を聞いた方法と、必要な相談先を使ったかを整理しましょう。特定の上司や同僚を評価する話に広げず、業務上の確認や連絡の進め方を伝えてください。
10.仕事で分からないことがあったら、どうしますか
前職で分からないことがあったとき、どの手順で、誰に相談したかを説明します。新しい職場の相談経路は別に聞く必要があるため、回答の後に「こちらでは勤務中にどなたへ相談できますか」と尋ねると、入職後の支援につながります。
11.これまでの学習や研修について教えてください
参加した研修、学んだ内容、業務で確認しながら取り組んだことを分けて書き出しましょう。受講歴だけで実施能力を証明しようとせず、担当経験や今後必要な支援を正確に説明してください。
12.新しい職場では、どのように仕事を覚えたいですか
記録の取り方や振り返りの機会など、自分が相談したい学び方を挙げてください。採用側から受け入れ方法の説明を受けたら、その方法で進められそうな点と、支援を相談したい点を分けて伝えます。
患者・利用者・同僚を特定できる情報や、勤務先の非公開資料は持ち出さず、自分の役割と行ったことを中心に説明します。臨床業務も、実際に担当した範囲と見学・補助の範囲を分けて伝えてください。
経歴・入職時期・希望条件を伝える質問13〜18
13.退職した理由、または退職予定の理由は何ですか
既に退職している場合はその経緯を、在職中なら今後の見通しを、事実に沿って説明しましょう。退職日がまだ決まっていなければ、確定日として伝えず、調整が必要な事項を区別してください。
14.短期間で退職した勤務先について教えてください
在籍期間と退職に至った事情を、説明できる範囲で簡潔にまとめましょう。すべてを自分の責任にする必要も、事実と異なる理由を用意する必要もなく、次の職場で確認したい条件まで整理してください。
15.仕事を離れていた期間について教えてください
離職していた期間と、現在の就業希望を分けて伝えましょう。個人的な事情を細部まで説明することに集中せず、働ける時間や教育について相談したい内容を整理してください。
16.いつから勤務できますか
最短で検討できる日と、確実に約束できる日を分けて準備しましょう。退職調整や引越しなどが残る場合は、入職日を決める前に何を確認する必要があるかも伝えてください。
17.勤務曜日・夜勤・残業の希望はありますか
採用側は、伝えられた曜日や時間をもとに勤務条件を検討します。現在対応できる範囲、難しい範囲、相談できる範囲を分けると、入職後に続けられる働き方を話し合いやすくなります。
18.希望する給与や雇用形態はありますか
希望額だけでなく、常勤・非常勤、勤務日数、夜勤回数など、金額の前提を添えて相談しましょう。譲れない条件と、提示内容を見て考えたい条件を分け、面接中にその場で結論を出さなくてもよいよう準備してください。
教育・配属を確かめる逆質問19〜24

逆質問では、応募先が既に説明した内容を踏まえ、残っている疑問から聞きましょう。「特にありません」と答えることを避けるためだけに質問を増やす必要はなく、入職判断に関わる点を優先してください。
19.今回の募集では、どの担当・役割を想定していますか
採用後に最初に担当する仕事と、慣れた後に期待される役割を分けて尋ねます。その回答に続けて、必要な教育や相談先を聞くと、自分の経験と受け入れ体制が合うかを検討できます。
20.配属先は、いつ、どのように決まりますか
希望を聞く時期、決定する担当者、内定時点で分かる範囲を確認しましょう。面接で希望を伝えたことと、配属が確約されたことは区別してメモしてください。
21.入職後の説明や教育は、誰が担当しますか
説明する人、相談窓口、担当者が不在の日の連絡先を尋ねましょう。「周囲に聞けます」という回答なら、勤務中に誰へ確認する想定かを具体的に聞いてください。
22.最初に担当する仕事は、どのように決めますか
経歴の確認方法と、本人が相談する機会を聞く質問です。単独で担当し始める時期だけでなく、予定を見直す手順と相談先が分かれば、不安が残ったときに誰へ伝えるかも整理できます。
23.入職後に困ったことを相談する機会はありますか
面談や振り返りを予定しているか、日常の相談窓口はどこかを聞きましょう。制度名があっても使い方が分からないままにせず、連絡方法と対応する人を確認してください。
24.勤務中の引継ぎや情報共有は、どう行いますか
勤務交代時、休み明け、担当者不在時など、情報を受け取る方法を尋ねましょう。使う記録や連絡手段の説明を受け、勤務時間外の連絡対応が求められるかも必要に応じて確認してください。
承諾の前提をそろえる条件確認25〜30
給与や勤務時間を聞くことは、入職後の生活を考えるための確認です。仕事内容への質問と合わせて、誰から、いつ、本人向けの条件を確認できるかまで尋ねましょう。
25.始業前の準備と終業後の作業を含め、勤務時刻を教えてください
患者向けの受付時間や診療時間と、自分の勤務時刻を分けて確認しましょう。開始前や終了後に行う仕事がある場合は、その時間の記録方法も尋ねてください。
26.休日と休暇は、勤務表ではどのように扱いますか
曜日固定の休み、交代で取る休み、半日勤務を分けて説明してもらいましょう。施設の休業日だけで自分の休日数を計算せず、勤務表の決まりと年間休日の数え方を確認してください。
27.提示給与の内訳と、支給条件を教えてください
給与は、基本給、固定手当、回数や実績で変わる手当、賞与を分けると比べやすくなります。固定残業代が含まれる場合に聞く対象時間数と金額、超過分の扱いは、給与欄の見方にもまとめています。
28.契約期間と試用期間の条件を教えてください
期間の定め、更新の考え方、試用期間中に変わる条件を尋ねましょう。正職員や常勤といった名称だけで契約内容を推測せず、本人への説明と書面を照合してください。
29.業務や勤務先が変わる可能性は、どの範囲ですか
最初の担当や勤務地に加え、契約上どの範囲まで変更する見込みがあるかを確かめましょう。「当面の予定はない」という説明と、変更範囲が限定された条件は分けて受け取ってください。
30.内定後の条件確認と、回答期限の相談窓口を教えてください
書面を受け取る時期、未回答事項の確認先、内定への回答方法を尋ねましょう。期限までに確認が間に合わないときは、いつまでに何を確認したいかを添えて相談してください。
募集時の条件明示や、選考途中で条件が変わる場合の明示については、厚生労働省の案内があります。面接で聞いた内容をメモし、当初の説明との違いはそのままにせず確かめましょう。募集時などの労働条件明示
就業場所と業務の変更範囲は、労働契約の締結時と有期契約の更新時に明示する事項です。承諾を判断する前に内容を取り寄せることは本記事の確認提案であり、法定の明示時点と同じ意味ではありません。労働条件明示のルール
答えにくい質問と、確認できなかったことを残す

家族の職業や収入、本籍、思想や信条など、仕事への適性や能力と関係しない事項の把握は、厚生労働省が就職差別につながるおそれを示しています。答えに迷ったら、勤務可能な曜日や時間など、仕事に関係する範囲で説明する方法を考えてください。採用選考時に配慮すべき事項
その場で無理に詳しく話すより、質問の目的を確かめ、必要な説明範囲を相談しましょう。面接後に相談する場合は、日時、質問の内容、回答した範囲を、覚えている事実として残してください。
面接担当者が給与や配属をその場で決められない場合は、回答予定と次の確認先を聞きます。回答を待っている間は未確認として残し、届いた説明を本人向けの労働条件通知書と照らし合わせると、承諾前に残る疑問を整理できます。
| 面接後に振り返る項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 応募先・面接日・説明者 | どの応募先で、いつ、誰から受けた説明かを確認する |
| 自分が伝えた希望・制約 | 勤務できる曜日・時間など、伝えた希望と制約が共有されているかを確かめる |
| 質問番号と受けた回答 | どの質問への回答かを分け、質問内容と返答が対応しているかを確認する |
| 希望、見込み、確定条件の区別 | 本人の希望、採用側の見込み、確定した条件を区別する |
| 確認が残った内容と回答予定 | 即答がなかった点は、確認する人と回答予定が決まったかを確かめる |
| 書面で照合する項目 | 給与・配属などの説明を、本人に示された条件書面と照合する |
面接の前後に行う3ステップ
質問1〜18から、特に説明を整理したいものを選んでメモしましょう。提出書類と事実が一致し、未経験の仕事を経験済みのように説明していないかを読み直してください。
質問19〜30から、入職判断に関わる未確認事項を選びましょう。面接中に説明された項目は印を付け、最後に残った疑問だけを尋ねてください。
記憶が新しいうちに、希望と採用側の回答を別々に残しましょう。確認できなかった点は、連絡窓口を通して質問し、承諾前の比較に使ってください。
面接準備でよくある質問
- 回答は丸暗記したほうがよいですか
-
文章を一字一句覚えるより、経験、理由、希望の順に短いメモを用意しましょう。想定と異なる聞かれ方でも、質問に関係する事実を選んで説明できるよう練習してください。
- 給与や休みの質問をすると、印象が悪くなりますか
-
面接官の受け取り方や採否を一律には予測できません。仕事内容への関心と合わせて、生活上必要な条件として具体的に確認し、既に説明された内容を繰り返さないようにしましょう。
- その場で答えが浮かばないときはどうしますか
-
少し考える時間をもらい、実際に経験したことの中から説明しましょう。思い出せない成果や出来事を作るより、今答えられる範囲と、確認後に伝える内容を分けてください。
まとめ
面接では、経験を正確に伝える準備と、入職後の条件を確かめる準備を一緒に進めましょう。30項目から必要なものを選び、答えた内容と受けた説明を面接後に同じメモへ残してください。
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制度資料は2026年10月3日に確認しています。質問集と文例は編集上の提案であり、採用結果の保証、実在の面接会話、臨床技能の評価を示すものではありません。
