看護師の年収を上げる方法は、基本給の見直し、勤務回数や役職の変更、転職です。増える給与項目と、それに伴う時間・責任・支給条件を一緒に比べると、続けられる方法を選びやすくなります。
どの方法で増収できるかは、本人に適用される条件によって変わります。現在の職場に残る場合も候補に入れ、今すぐ変わる金額と、評価や配属の決定を待つ金額を分けて検討します。
額面年収の差だけでは、手取りや自由に使えるお金の差は決まりません。給与条件に加え、通勤や仕事に必要な自己負担、勤務時間、休息の予定も別欄で比べてください。
年収を上げる方法は、変わる条件ごとに比較する

給与改善では、毎月の固定部分を増やしたいのか、追加の勤務に応じた手当を得たいのかを先に分けます。基本給と回数別の手当では、配置変更や休職があったときの収入への影響が異なるためです。
| 検討する方法 | 増減を確認する給与項目 | 一緒に比べる条件 |
|---|---|---|
| 現職で昇給・等級変更を相談 | 基本給、等級に連動する手当 | 評価基準、実施時期、対象条件 |
| 夜勤等の勤務回数を見直す | 回数別の手当、深夜割増等 | 回数の確度、勤務の並び、休憩・休息 |
| 役職や担当を変える | 役職手当、基本給、賞与の扱い | 職務、権限、会議、連絡・調整の責任 |
| 同じ分野の別の勤務先へ転職 | 経験を踏まえた基本給、手当、賞与 | 勤務時間、休日、配属、初年度の条件 |
| 別の分野・働き方へ変更 | 給与体系全体、実績連動の支給 | 応募資格、業務、移動、教育、契約 |
表は比較する候補を示したもので、実際に各方法を選べるかは職場ごとの確認が必要です。今すぐ変えられる条件と、評価や配置の決定を待つ条件を分けて考えてください。
「高収入」と書かれた説明を見ても、月給の上限、経験者のモデル例、自分への提示を区別しましょう。自分が満たしていない役職や勤務回数を前提とした額は、現在の条件と同じ欄で比べないようにしてください。
年収を上げる方法を選ぶ前に、働き方で守りたい条件と先に確かめたい選択肢を整理できます。
働き方を整理するWebアプリ・PDFの案内を見る
現在の給与を、固定部分と実績で変わる部分に分ける
給与明細と賞与明細を並べると、基本給・固定手当と、夜勤や時間外勤務で変わる部分を分けられます。給与欄の比較方法に沿って複数月を見ると、毎月同じ金額として見込める部分がはっきりします。
厚生労働省のモデル労働条件通知書には、基本賃金、諸手当、割増賃金率、昇給、賞与などを分ける欄があります。この分け方を参考に、現在と候補先の支給条件を同じ項目で並べてください。モデル労働条件通知書・2ページ
| 整理する欄 | 残す内容 | 比較時の注意 |
|---|---|---|
| 基本給 | 本人に適用される月額等 | 総支給額と混同しない |
| 固定手当 | 名称、額、対象者、支給条件 | 配属や資格等で変わる条件を確認 |
| 実績に応じる手当 | 対象勤務、単価、実際の回数 | 毎月同じ回数を見込まない |
| 時間外等の割増 | 対象時間、計算方法、支給額 | 増収目的で残業を前提にしない |
| 賞与 | 対象期間、基礎額、本人の支給額 | 前年実績と次回の条件を区別 |
| その他 | 一時金、通勤費、精算金等 | 継続収入や自由に使える額と分ける |
比較する期間は、「入職から12か月」などと先に決めましょう。現在の暦年の実績と、新しい職場で通年勤務したモデル年収をそのまま引き算すると、勤務期間や賞与の条件がずれる場合があります。
過去の収入は確認できた実績として残し、今後の収入は提示条件からの見込みとして別に扱ってください。休暇、異動、夜勤開始時期などで変わる部分には、使った前提も添えましょう。
平均値との比較は、看護師の平均年収と給与の見方で対象者や給与項目を確かめられます。この記事では平均値を目標額にせず、本人の条件を変える方法の比較に使います。

基本給を上げたいなら、評価と経験の扱いを確認する
採用支援で関わった範囲では、人事考課制度や賃金テーブルがない事業者もありました。入職時の提示額に加え、その後の給与を誰が何を基準に決めるかを聞くことが、将来の働き方を考える材料になります。
現職でも転職先でも、昇給の判断基準、評価時期、役割が変わった場合の扱いを尋ねます。制度が未定なら、現時点の決定事項と今後決める事項を分けて説明してもらうと、今の条件で続ける場合と比較できます。
資格取得や研修を増収の手段にする場合は、手当の対象資格、申請方法、支給開始時期が先に知りたい情報です。担当業務との関係まで分かれば、必要な費用と時間に見合うかを検討できます。
転職では、経験を何に反映するかを採用窓口へ尋ねてください。勤続年数をそのまま引き継ぐと決めつけず、対象となる職歴、非常勤や休職期間の扱い、決定時期を聞きましょう。
| 基本給・評価の相談 | 聞いておきたいこと |
|---|---|
| 現職の昇給 | 時期、判断する人、評価結果の説明方法 |
| 等級の変更 | 必要な職務・条件、申請や選考の有無 |
| 資格・研修 | 手当の対象、取得後の担当、時間と費用の扱い |
| 転職時の経験評価 | どの職歴をどう確認し、給与へ反映するか |
| 入職後の見直し | 試用期間後等の変更が確定条件か、再評価か |
「試用期間後に見直す」には、具体的な増額が決まっている場合と、評価だけを予定している場合があります。増額が未定なら現在の提示額で生活を続けられるかを考え、見直しの時期と判断者を聞いておきます。
希望額を伝えるときは、現在の内訳と、候補先で引き受ける役割を整理すると話が具体的になります。実際にしていない役割や成果を足さず、担当した仕事を事実の範囲で説明してください。
夜勤回数を増やす前に、支給条件と続けられる勤務を聞く
夜勤による増収を検討する場合は、一回の手当額だけでなく、回数の数え方と本人の予定回数を確かめましょう。担当開始前、同行や研修中、回数が減った月で、支給がどう変わるかも聞いてください。
原則として22時から翌5時までに働いた時間には、25%以上の深夜割増が必要です。職場独自の夜勤手当とどう計算・支給するかは別の確認なので、内訳を給与担当者へ尋ねましょう。厚生労働省の割増賃金の説明
月給例に夜勤手当が含まれているなら、同じ手当を別に加算しないでください。「夜勤を増やした場合の総額」を聞くときも、今の回数、変更後の回数、支給開始月をそろえて確認しましょう。
夜勤を増やすと、収入に加えて通勤・睡眠・家庭に使える時間も変わります。夜勤の開始・終了時刻、休憩、明けの見方を使い、変更後の勤務表を生活予定に当てはめてから回数を相談します。
職場が提示できる回数と、本人が希望する回数が一致するかも確認が必要です。予定の変更を相談する窓口と、その際の給与への影響まで聞いておくと、変更後の働き方を考えやすくなります。
夜勤条件の詳しい照合は、看護師求人の夜勤の見方を使えます。回数に加えて勤務時刻と休憩を確認し、一律に何回なら安全という判断はしないでください。

役職は、手当と責任、勤務の変化をまとめて比べる
役職による収入改善を考えるなら、手当額だけでなく、任される仕事と権限を確認しましょう。勤務表の調整、面談、会議、時間外の連絡など、今回の役職に含む担当を具体的に聞いてください。
基本給や役職手当が変わっても、夜勤の担当や賞与の計算が変われば、年間の総額の差は別の確認が必要です。変更前と変更後で、同じ期間の給与項目を並べましょう。
厚生労働省は、労働基準法上の管理監督者に当たるかは肩書だけでなく、職務、責任・権限、勤務態様、待遇の実態で判断すると説明しています。管理監督者にも深夜割増の規定は適用されるため、「役職が付けば残業代も深夜割増も出ない」と一括りにしないでください。時間外・休日労働と割増賃金の「管理監督者」
採用側には、役職の職務説明と、労働時間・割増賃金の扱いを分けて質問しましょう。この記事だけで本人の法的な該当性を判定せず、説明に疑問があれば公的な労働相談窓口等で確認してください。
役職の手当は、任される責任と一緒に比べる必要があります。本人が決められる範囲、上司に相談する範囲、不在時に代行する人が分かると、その役割を引き受けられるか判断しやすくなります。
転職・職場変更では、初年度とその後の年収を分ける

転職を比較するときは、月給の差と、最初の一年の受取見込みを別に並べましょう。入職月、試用期間、夜勤の開始、賞与の算定対象期間などによって、通年のモデル額と差が出る場合があります。
賞与の「何か月分」は、算定する基礎額、対象期間、在籍や評価の条件を聞いてください。前年度実績と本人への支給予定を区別し、支給が未確定の額は固定収入と同じ扱いにしないようにしましょう。
年俸制なら、年額に何を含み、何回に分けて支払うかを確かめましょう。賞与相当額や固定残業代を含む説明がある場合は、それらを年額の外へもう一度加算しないでください。
固定残業代がある募集では、固定残業代を除いた基本給、固定残業代の対象時間数・金額、超過分の追加支給の説明を確認できます。厚生労働省の明示例を参考に、候補先の月給がどの項目で成り立つか確かめましょう。募集時などに明示すべき労働条件・1ページ
通常の賃金と割増賃金の部分は区別する必要があり、法定の計算による割増賃金を下回るときは差額の支払が必要です。手当名だけで判断せず、計算の対象と不足時の扱いを確認してください。基本給に含めた割増賃金の説明
別分野へ移る場合は、現職で受け取っている手当と新たな給与体系を項目ごとに並べます。たとえば訪問看護の給与なら、基本給、オンコール、実績連動の支給を分けると、勤務の変化と収入の変化を結び付けて考えられます。
訪問看護を候補にする場合は、訪問看護師の給料・年収で待機や出動、実績連動の支給を分けられます。支給基準と担当回数を確認し、金額のために業務量を増やせると見込まないようにしましょう。

引越しや通勤、研修などの負担も、年収比較とは別欄で整理してください。給与として増える額と、一時的な費用や立替精算を混ぜず、いつ支払いが必要かまで残しましょう。
退職日から入職日までに空白がある場合は、その期間の収入と、新しい給与の支払日も比較に入ります。年間額が増える見込みでも、一時的に支払いが先行する期間を把握しておくと、移る時期を相談しやすくなります。
増える項目と減る項目を分けて、同じ期間で照合する
比較では、候補ごとの見込額を同じ項目で合計し、現在の条件での見込額との差を確認しましょう。給与額が未提示なら空想の金額を置かず、支給条件が確認できた部分と未確認の部分を分けて残してください。
同じ期間の差額は「変更後の給与項目の合計−変更前の給与項目の合計」で整理できます。どちらも額面でそろえ、夜勤回数、賞与、勤務月数などの前提を明記し、手取りの差とは区別してください。
一つの合計額に不確定な条件を詰め込むより、基本給・固定手当で確認できた部分を先に比較しましょう。そのうえで、予定回数を担当した場合、担当開始が遅れた場合など、職場から説明された条件ごとに分けて検討してください。
条件ごとの見込みは、将来の支給保証ではありません。勤務回数や賞与が変わったときも受け入れられるか、自分の必要な収入と生活時間の両方で考えましょう。
| 確認する項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 比較する期間 | 現在と変更後を、同じ期間の収入で比較する |
| 基本給・固定手当と支給条件 | 本人への基本給と固定手当の金額、支給条件をそろえる |
| 夜勤等の回数・単価・開始時期 | 単価だけでなく本人の予定回数と、担当開始時期を確かめる |
| 役職・担当と権限 | 役職や担当が変わる場合、担う仕事と権限も確認する |
| 固定残業代・追加支給の扱い | 通常の賃金との区分、対象時間・金額、追加支給を確認する |
| 賞与の基礎・対象期間・確度 | 賞与の算定基礎と対象期間を確認し、実績・見込み・確定条件を区別する |
| 勤務時間・休日・休息・移動 | 増収額と合わせて、働く時間・休日・休息・移動への影響を確認する |
| 初年度に特有の条件・費用 | 初年度の支給条件と、新たに必要になる費用を確認する |
| 見込額の前提・未確認事項 | 見込額の計算に使った回数や支給条件と、まだ分からない点を分ける |
| 回答者・確認日・書面の有無 | 回答者と確認日を残し、本人への条件が書面で確認できるかを確かめる |
「希望に近い年収」という返答では、固定給で届くのか、夜勤や賞与を含む試算なのかがまだ分かりません。基本給・手当・賞与の内訳と各前提を聞き、希望する勤務条件でも必要な収入に届くかを判断します。
確認が済んだ方法から、変更を検討する

収入を増やしたい理由と、勤務できる時間や地域を整理しましょう。休息や家庭の予定など外せない条件も書き、金額だけで候補を残さないようにしてください。
昇給、担当変更、役職、転職について、給与が変わる条件を確認しましょう。今の職場に残る案も同じ期間で並べ、未確定の支給額を分けてください。
給与額と計算方法、担当業務、勤務時間について、本人への条件を確かめましょう。説明が異なる点は回答を得てから、変更や入職を検討してください。
内定後の確認には、労働条件通知書の見方を使えます。口頭の年収説明と書面を並べ、支給条件や勤務の前提に違いがないか確かめてください。

看護師の年収改善でよくある質問
- 年収を上げるには、夜勤を増やすのが一番早いですか?
-
担当できる回数や支給条件、開始時期によって異なります。基本給や役職、勤務先の変更も比較し、休息や生活への影響を含めて検討してください。
- 基本給が高い勤務先なら、年収も高くなりますか?
-
賞与や各手当、勤務回数が違えば総額も変わります。基本給を分けて確認したうえで、同じ期間の給与項目をそろえて比べましょう。
- 資格を取れば必ず給料が上がりますか?
-
職場の支給条件によるため、取得だけでは決まりません。対象資格、担当業務、申請、支給開始、取得費用の扱いを先に聞いてください。
- モデル年収と同じ額を受け取れると考えてよいですか?
-
モデルの役職、経験、勤務回数、賞与の条件を確かめる必要があります。本人への提示額と区別し、初年度に同じ条件が適用されるか確認してください。
金額の前提がそろうと、自分に合う改善方法を比べられる
候補が決まったら、増える金額と必要な勤務・責任を同じ表で比べます。現職の調整で目的を満たせるか、転職が必要かを考え、初年度の条件と本人への書面がそろった段階で変更を判断しましょう。
制度資料は2026年10月3日に該当箇所を確認しました。この記事は給与相場や増収額を推計したものではなく、本人の条件を比較するための質問と手順を提案しています。
